何も期待せずに観たのですが 意外にも面白かった。
ホラーとまではいかないけれど なんとなく怖くてサスペンス要素もあって。
このブログでネタバレ感想を書いたインシディアスもそうなのですが、私は“なんとなく気軽に観てみようかな〜”と思った時に なぜかお化け屋敷的な雰囲気の作品をチョイスしてしまう傾向があるようです。
(別にすごく好きってわけではないのになんでだろう…w)
インシディアスのネタバレ感想は →こちら
多忙な編集者の仕事を辞め、購入したマイホームで妻と娘たちと人生を過ごすことを決意したウィル。小説を書きながら第二の人生をスタートさせたウィル一家はとても幸せに暮らしていた。
しかし、娘が幽霊のような影を見たり 怪しい男が家の周辺をうろついていたり…。
どうもこの家は変だ…何かある…。という ストーリーとしては割とよくある感じのパターンなのです。
ですが、謎を追求していくうちに意外なことが明らかとなって 後半からストーリーの様相が変わっていきます。
個人的にはちょっと意外で驚いたし、急に面白くなっていった感じがありました。
オカルト要素も少しありつつ 真相を知りたい好奇心もあって 飽きずに最後まで観れました。
前半ではあらすじや解説、後半でネタバレの感想を書いてみようと思います。
作品詳細
製作年 | 2011年 |
---|---|
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 92分 |
監督 | ジム・シェリダン |
出演者 | ウィル・エイテンテン/ピーター・ウォード / ダニエル・クレイグ アン・パターソン / ナオミ・ワッツ リビー・エイテンテン/エリザベス・ウォード / レイチェル・ワイズ ジャック・パターソン / マートン・チョーカシュ、他 |
簡単解説
「マイ・レフトフット」「父の祈りを」など人間ドラマの秀作で知られるジム・シェリダン監督が初めて挑んだサイコスリラー。主演はダニエル・クレイグ、レイチェル・ワイズ。家族との時間を大切にするため仕事を辞め、郊外の家に引越したウィル。しかし、その家ではかつて、父親を除く家族全員が惨殺された忌まわしい事件が起こっていた。最初は気にしていなかったウィルだが、子どもたちが幽霊のようなものを目撃したり、不審な男が家の周囲に現れたりと、不気味な出来事が相次ぐ。やがて、過去の事件の犯人がまだ捕まっていないことを知ったウィルは、独自に調査を始めるのだが……。ナオミ・ワッツが共演。
映画.comより
簡単なあらすじ
アメリカの東海岸ニューイングランド地方での出来事。
妻と二人の娘を持つ有能な編集者・エイテンテン(ダニエル・クレイグ)は、郊外に希望どおりの物件を見つけわざわざ会社を辞めてまで引っ越してくることになった。新居での家族の暮らしは、絵に書いたような幸せそのものだった。しかし、しばらくすると娘達が可笑しなことを口走り始めるのだった。
「庭から男が見ていると」。
ウィルと妻のリビー(レイチェル・ワイズ)はその家のことを調べ上げ、そこで以前何が起きたかを知ってしまう…
MIHOシネマより
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基本的にネタバレを気にせずに書いているので、未見の方でネタバレしたくない方はご注意ください。
お化け屋敷じゃなかった
(C)2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
これは嬉しい誤算というか 私が勝手にお化け屋敷的なオカルトな話だと思い込んでいたのもあるのですが…お化け屋敷ではありませんでした。
ここに以前住んでいた家族が皆殺しになっていた…という恐ろしい事件が過去にあった家だったと。
そしてなぜか 家の周辺をうろつく怪しい男がいる(うろつくどころか危害を加えそうな感じ)。
オカルトではないけど これはこれで怖いですね。生きてる人間の方がリアルに怖い部分がある。しかし、普通そんな事件が過去にあった物件を 不動産屋が知らせないわけがないし、それほど有名な事件なら家を購入する前に少し調べればわかりそうなものです。
(後半の真実が判明した時に あ〜なるほどね…と納得しましたが^^;)
一家を惨殺したピーター・ウォードとは
(C)2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
警察は役に立たないし、誰に聞いても詳細を教えてもらえず ウィル自身が色々と調べていくと、この事件の犯人はピーター・ウォードだと判明する。
ピーターは妻と娘を殺害したあと逮捕されるが 証拠不十分で釈放される。
しかし、心神喪失していて精神異常ということでその後は精神病院へ送られる。
ウィルとしては 一家を惨殺した狂人が野放し状態なわけで 家族に危害が及ぶのではないかと焦りと不安が募っていきます。
この時点では観ているこちら側もウィルの目線なので、このピーターという男がウィル一家に対して嫉妬していたり 思い込みよる逆恨みをしていて 攻撃しているんだろうな…と思っていました。全然違いましたけど…。
ピーター・ウォードの正体
(C)2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
ウィルはピーターが入院していた?と思われる病院に行き ピーターについての情報を聞き込みますが、調べが進んでいく際に見せられた監視カメラの映像に驚くことになります。
この映画の一番大事な場面と言っても過言ではないシーンですね…。正直、私もウィルと同じようにショックを受けましたし
“いやいやいや、だって妻と子供とめちゃめちゃ幸せに暮らしてますし、仕事でもそこそこ成功してるし”って思ってしまったんですけど、これは全部ウィルの幻覚?幻影だった訳です。
ウィルという名前も 精神病院で認証のためにつけられた「W1-1L 8-10-10(ウィル・エイテンテン)」から作り上げた架空の名前でした(単なる当て字とも言う…)。
衝撃!これはとても衝撃的な展開!と同時にすごくワクワクしてしまった(笑)
というのも、大体 どんでん返し的なことが判明する時というのは、物語の終盤だったりすることが多いのですが、この時点ではまだ結構な時間が残っている…ということは、この後も色んなことがありそう!と期待値が上がりますからね。
事実を知ってしまったウィル(ピーター)が家に戻ると、そこは廃墟でもちろん誰もいません。
今まで見せられていた家族との会話や やり取りは 全部ピーターの幻影(幻覚)だったということを思うとすごく悲しくなった。
この廃れた家で たった一人で 妄想したり 幻影を前に独り言を言ったりしていたのだろうか…と思うとツライ。
ピーター・ウォードの家族とは
(C)2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
愛情深く美しい妻と可愛い娘。理想的な家族だなぁと思わせてくれます。
ピーターが見ていた幻影ということは、妻も子供もピーター自身が見せているものになりますよね。
ということは自覚の有無に関わらず ピーターが見たいと思っている場面が幻影となっているはずです。
あまりの悲劇的な出来事と現実を 脳が受け入れることが出来ず、このような症状が出ているのでしょう。
自分がピーターだと気付くまでの家族との幸せ過ぎるシーンを思い出すと、当時の幸せだった頃に戻りたいというピーターの願いも含まれているんだろうなぁと思います。事実を知ってしまった後は 見る幻影も真実に近くなり、娘達が目の前で亡くなったりするんですが 本当に悲しいシーンだった。妻のリビーが娘の死を受け入れられず「目を覚まして!」と動転し、ピーターはリビーに「もう亡くなっている」と諭すシーンがあります。「生き返って欲しい」という娘達の死を受け入れらない部分と、「もう亡くなっている」と冷静に理解している部分が ピーター自身の頭の中で戦っていたのだろうと思うし、少しずつ 娘と妻の死を受け入れ始めていたのだと思う。「もう亡くなっている」とリビーに言いながら、ピーター自身にそう言い聞かせていたのかなぁと思います。
事件の真相
(C)2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
この段階ではピーターが精神異常ということがわかっているので、何らかの事情でピーターが家族を殺害してしまったのだろう…と思っていて、後半はなぜ殺害するに至ったのかを解明いていくのだと思っていたら、なんとピーターが犯人ではないということがわかる。この二転三転しながら予想を裏切る感じがとても良いと思った。それでも映画通や勘が良い人はすぐにオチがわかっちゃいそうですが…^^; 私は普通に予想が外れるので、こういう時 鈍感で良かったなぁと思ったり。
で、犯人は隣人のアン(ナオミ・ワッツ)の元夫でした。最初から嫌な感じがプンプンしていたけど 殺人事件を起こすほどとは。離婚したことを逆恨みしアンを殺害することを計画。しかし雇ったボイスという男が家を間違えてしまい、ピーターの妻子を殺してしまったと。こんな凡ミスで殺されてしまって悔しい…。この体験を元に「ドリームハウス」という本を出版するラストはちょっと出来すぎな感じもしたけど、多分これが一番いい終わり方だったと思います。
(個人的にはもっとナオミ・ワッツは活躍すると思っていたけど、本当にただの隣人だったので少し拍子抜け。いや、すごく重要な役だったとは思うんですけどね…^^;)
まとめ
(C)2011 MORGAN CREEK ALL RIGHTS RESERVED
適当に選んだ作品(全く期待してなかった作品)が面白いと すごく得したような気分になりますが、今回はまさにそんな感じでした。頭を使わずに素直にワクワクしながら観れる作品だったと思います。
映画を観終わってから色々調べてみたら、ピーター役のダニエル・クレイグと、妻役のレイチェル・ワイズはこの映画をきっかけに交際をはじめ、本当に夫婦になったと知ってちょっと嬉しくなった。冒頭のラブラブな感じは演技じゃなくて素だったのでは…と思ったり。
映画の中で 家族との一連のやり取りはピーターの妄想(幻影)だったけれど、アンの元夫(ジャック)に襲われて家を放火された際に リビーがジャックの気を逸らすように 家の飾りを触って音を鳴らしています。
ジャックがその音に気が逸れたことで ピーターとアンは脱出することができたのだけど、幻影であるはずのリビーが音を鳴らしたというのは考えにくいですよね。
恐らく あの時に見たリビーだけは 幻影ではなく 幽霊となってピーターを助けに現れたのだと思う。
燃え盛る炎の中でちゃんとお別れが出来たことで、ピーターも現実を受け入れて生きていけるようになれたのかな、と。とても良い作品でした。
この作品を観終わったあとで 色んなレビューを見てみると“実は自分が〇〇だった!”な展開が他の某作品と似ていると書いている人が多かったです。確かに似ている部分もありますが、某作品と比べると 本作は(多分)一応ハッピーエンドなので観終わった後の重さが違う気がします。
※某作品については観ている人はわかると思いますが、観ていない人は知らない方が楽しめると思うので作品名は伏せています。
“ある作品とこんな展開が似ている”っていう情報は、作品の性質にもよりますがネタバレと同じになってしまう場合もあるので念のため^^;
最後まで読んで頂き ありがとうございました**
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