こんにちは オリカ(@orika_note)です。
今回はアップグレードのネタバレ感想を書いてみようと思います。
Amazonプライムで評価が高かったのもあって 少し期待しつつ鑑賞しました。
結論から言うと 面白かったです!最初から最後まで中だるみせず観ることができて 現代の新しいSF映画という印象でした。
途中からどんどんワクワクする展開になって ストーリーにどんどん引き込まれていく感じがとても良かった。
本作の脚本と監督でもある『リー・ワネル』ですが、「インシディアス」や「ソウ」シリーズの脚本も書いているとのことで「なるほど…」と妙に納得。
(私は「ソウ」シリーズと「インシディアス」はすごく好きな作品なので、多分 リー・ワネルの作品が好きなのだと思います^^;)
監督の思惑通りにドキドキハラハラすることができて良かった。
ワクワクと怖さが半々という感じでしょうか。
以下、簡単なあらすじ紹介とネタバレ感想になります。
作品詳細
製作年 | 2018年 |
---|---|
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 95分 |
監督・脚本 | リー・ワネル |
出演者 | グレイ・トレース / ローガン・マーシャル=グリーン コルテス / ベティ・ガブリエル エロン・キーン / ハリソン・ギルバートソン フィスク / ベネディクト・ハーディ アシャ・トレース / メラニー・バレイヨ、他 |
簡単解説
「パラノーマル・アクティビティ」のジェイソン・ブラムが製作、「インシディアス」シリーズで脚本や監督を務めたリー・ワネルがメガホンを取ったSFアクション。近未来、妻と平和な日々を送っていたグレイは、突如現れた謎の組織によって妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまうが、巨大企業の科学者によって実験的に埋め込まれたAIチップ「STEM」の力によって麻痺を克服し、人間を超越した身体能力を手に入れる。グレイは脳内で会話する相棒的存在である「STEM」と協力し、最愛の妻を殺害した謎の組織への復讐を誓う。主人公グレイ役を「プロメテウス」「スパイダーマン ホームカミング」のローガン・マーシャル=グリーンが演じる。
映画.comより
簡単なあらすじ
近未来、愛する妻と平穏な日々を送っていた男グレイは、突然現れた謎の組織により幸せを奪われる。妻は殺され、自身は全身麻痺となってしまう。実験的に巨大企業の科学者によってグレイに埋め込まれたAI(人工知能)チップ、“彼”の名前は「STEM」。AIの力で全身麻痺を克服し、人間を超越した身体能力を手に入れたグレイは脳内で会話する相棒「STEM」とともに、妻を殺害した謎の組織に復讐を誓う―
映画「アップグレード」オフィシャルサイトより
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基本的にネタバレを気にせずに書いているので、未見の方でネタバレしたくない方はご注意ください。
舞台は近未来
本作の舞台となっているのは近未来の都市。あちこちに監視カメラのドローンが飛び回っているし 車は自動運転だし 家事や仕事もAIにお任せできるようです(羨ましい…)。
最近、金曜ロードショーで『バック・トゥ・ザ・フューチャー(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)』を改めて鑑賞しましたが、Ⅱで未来に行きますよね。その時に描かれている未来というのは 空飛ぶ車 とか スニーカーが簡単に履ける、ずぶ濡れになっても瞬間で乾燥できる、ゴミが燃料になる、スケートボードが宙に浮く、とか そんな感じでした。
1985年の頃に想像できる未来と 2018年に描く未来が全く違うのがちょっと面白かった。
AIがこれほど日常的になる未来なんて 1985年では想像できなかっただろうなぁと思ったり。
逆にこれから40年後にこの世界がどんな風に進化しているのかも 想像できないし、頑張って想像してみても 想像を越えてくるんだろうなぁと思うと 未来が少し楽しみです。
自動車整備士のグレイ
こんなにAIが大活躍している中、グレイはアナログな車を整備したり売ったりしています。
どんなに技術が進化しても アナログな感じやレトロなものが好きな人は多いと思うので需要はあるようですね(特にお金持ちはヴィンテージものが好きだったりしますし)。グレイ自身もあまりAIばかりに頼るような生活は望んでいないようで、自分で汗をかきながら生きていく方が性に合っているようです。
しかし彼のそのまっさらな身体(脳?)が最先端の人工知能である“ステム”に選ばれてしまうことになります。
そのせいで 妻を殺され、グレイ自身も四肢麻痺となり車椅子生活になってしまうのだけど、グレイからしたらとんだ災難ですよね…ひどすぎる…。
グレイの妻・アシャ
AIを開発する会社に勤めるキャリアウーマンで いかにも出来る妻であるアシャ。
グレイが顧客に車を届ける際に アシャを誘い 一緒に行くことに。
(ここでアシャが行かなければ…と悔やまれます)
自動運転していた車が急に機能不全となり暴走し 交通事故。
これだけでも災難すぎますが、ある集団に襲われてグレイの目の前で殺されてしまいました…。ひどい…。
開発者 エロンとステムについて
天才発明家のエロンはグレイの顧客であり、この日、グレイはエロンに車を届けに来たのでした。その時に見せてくれたのが“ステム”で、超高性能で最先端であることを知らされる。
グレイは「俺の仕事がなくなるな…」と あまり話に乗らなかった。
今思うと、このエロンという人物は最初から違和感があったのだけど、最初の登場のシーンからしてどこか ぎこちなく、人間味をあまり感じなかったんですよね。
天才的な発明家とか開発者はコミュニケーションがあまり得意ではなく描かれることが多いので この時もそんなもんだと思ってたんですけど、ラストを知ると エロン自身も“ステム”にほぼ操られている状態だったと思うと妙に納得できます。
警察が機能していない…
とにかく警察が全然使えないんですよ。あれだけドローンを飛ばして監視状態にあり、犯行現場も犯人の顔も映っているのに 犯人を捕まえることができない。これほどのAI社会なのに警察の捜査だけは2018年(現在)っぽいのです。この点においてはちょっとだけ残念ポイントではあります。
それとも“ステム”がすごすぎるっだけであって、それ以外のAIは現在のアレクサをバージョンアップした程度なのかも?(多分違う…)。
そして 刑事役の「ベッティ・ガブリエル」は良かったですね。「ゲット・アウト」の泣き笑い演技も素晴らしかったのですが、今回も存在感がありました。
(ゲット・アウトの泣き笑い演技の印象が強すぎる…^^;)
観たことがないアクションが良い!
“ステム”によって動くことができるようになったグレイですが、いきなり“ステム”から脳(鼓膜?)に直接話かけられたりして相当テンパったりもしつつ、少しずつ現状を受けいれていきます。
そして妻を殺害した犯人を見つけるため 独自で行動を始めます。しかし 犯人と思われる人物の家を調べている最中に 犯人が帰宅し鉢合わせになってしまう。
(帰宅時間とか調べずに家に侵入するなんて 無計画過ぎない?…ってちょっと思ったり^^;)
観ているこちら側からすると、ついこの間まで四肢麻痺だったわけで 完全に病み上がりみたいな状態だし これはやられるかも…って思ってしまうのだけど、ここで“ステム”が
「今です。今ならこちらが有利なので 動いて下さい。」とか
「ちょっと動きが遅いです」とか色々アドバイスするんですよね。
頭の中で最先端のAIが指示してるってことだけでも私は相当ワクワクしてました。
まぁそんな簡単に「〇〇して下さい」って言われても できるか~!って話なんですけど…^^;
グレイの許可によってステムが身体を動かすと、これがめちゃくちゃ強い。
見たことがない動きというか、意志がないのに超強いという状態がとても興奮してしまうポイントでした。
今まで自分の意思に反して身体が動くといえば、エクソシストみたいなホラー系に多かったように思うけど、これは新しいなって素直に思う。
なにしろ悪人をコテンパンにするだけでもスッキリしますしね。
「俺は何をすれば?」とステムに聞くと「力を抜いて下さい」と冷静に返したりして、ステムは実際は見えない存在(ただのチップ)なのだけど カッコイイと思っちゃいました。
ただ、この時はまだ体を動かすにはグレイの許可が必要でしたし、エロンの監視下に置かれていました。それらを無効にするためハッカーの元を訪れインプット・ガードを削除。
これによりエロンの監視から逃れ、さらにグレイの許可がなくても身体を自由に動かせるようになりました。
今思うとステムの思い通りに身体を動かせるというのはとても危険なことですよね。
グレイ自身は四肢麻痺で自分の意志では動かせないのだから、この時点ですでにステムに乗っ取られているようなものです。
まとめ
前情報を全く入れずに観始めたので、妻が殺された時に 最近私がちょっとハマっているリベンジに燃えるストーリーなんだろうとは思ってはいました。
だけど 単純なリベンジではなく、そこに近未来の時代背景やAIが絡むことでとても面白くなった作品だと思います。
実際、人間の脳はほとんどが活用されていないので未知な可能性を秘めていますよね。
電気信号で脳の神経細胞に情報伝達をすると言われています。情報をうまく伝達できる何かを開発できれば、四肢麻痺である患者も手足が動くようになったりするようなので、アップグレードした人間というのも 現段階ではまだまだありえないけども 1%くらいは…100年後なら ありえるかも…と思える。
すごく非現実的なんだけれど、ちょっとだけ現実的でもあるな、と。
このブログでもネタバレ感想を書いた「エクス・マキナ」という作品もAIロボットが登場する作品ですが、やはり AIと人間を比べると、どう頑張ってもAIの方が勝りますよね。それは人間には「感情」という AIから見れば余計な機能が備わっているからです。
グレイがバーに乗り込んだ際に お酒を飲むシーンがありますが
ステムに「今飲むのは適切ではない」「なぜ人間は自ら不具合を求めるのか?」と問われるシーンがあります。
その際にグレイは
「人間の脳は数字だけじゃなくて嫌な記憶がつまってる。」と答えました。
恐らくその返事を聞いてもAIは理解できないだろうと思うけど「不具合を起こす邪魔な機能」だと判断すると思います。
ステムからすれば グレイの意志や自我、感情、記憶さえなくなれば完璧な人間にアップグレード出来るわけですから、グレイの心を壊して身体を乗っ取るラストになるのは納得です。
感情がないAIであれば、身体を乗っ取ることに関して 酷いことをしている認識なんてないでしょうし…。
人間は強くて儚い生き物だなぁと改めて思うラストでした。
心があることで幸せにもなれるけど、心は限界を越えると壊れてしまう(精神の“死”ですね)。
バッドエンドとも言えるし、グレイからすればハッピーエンドとも言えます。これからずっと仮想現実の世界で幸せに暮らして欲しい。悲しいけれど。
本作は評価が高かっただけあって とても面白かったのだけど、これが夢オチだったらだいぶ評価が落ちたと思います。
(え?まさか夢?って思っちゃったけど 夢オチじゃなくて本当に良かった^^;)
あと最先端であることだけが強いわけでもなくて、アナログの方がAIに勝ることもあるシーンがあったのも良かったですね。
刑事がこっそり仕掛けた盗聴器はアナログだったがために ステムは見落としてしまうし、アナログの車は電力による制御が出来なかったりして。
ってことで やっぱりAI系のストーリーは面白い!
個人的に好きな作品となりました。
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