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映画「キャスト・アウェイ(Cast Away)」のネタバレ感想

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映画「キャスト・アウェイ」(Cast Away)のネタバレ感想

この映画、若い頃に見たことがあったのですがラストの記憶が全くなかったので改めて観てみることにしました。
(サバイバルしているシーンは記憶に残っていたのですけどね…)

作品詳細

製作年 2000年
ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
上映時間 144分
監督 ロバート・ゼメキス
出演者 トム・ハンクス
ヘレン・ハント
クリス・ノース
ニック・サーシー
ナン・マーティン

簡単なあらすじ

1995年12月。フェデックスのシステムエンジニア、チャック・ノーランド(トム・ハンクス)は効率と生産性を上げるために分刻みの時間に拘り世界中を飛び回っていた。チャックはテネシー州メンフィス在住のケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)と長年付き合っており結婚も意識していた。親族と過ごすクリスマスパーティーの最中、マレーシアでのトラブル解決のため呼び出されると、チャックは大晦日には戻って一緒に過ごす事をケリーに約束し貨物機で出発する。ところがチャックの乗った機は悪天候で太平洋に墜落してしまう。なんとか救命ボートにしがみ付いて嵐に耐えたチャックはとある島に漂着するが、そこは動物すらもいない無人島であった。
Wikipediaより

※基本的にネタバレも気にせずに書いているので、未見の方でネタバレしたくない方はご注意ください。

この映画は色々な要素が詰まっていて個人的にとても好きな映画になりました。ただサバイバルして生き抜け!という単純なストーリーではなく、「生きるとは」を考えさせられる内容でありながら、恋人のケリーへの愛だったり、過酷な環境を生き抜くための仲間が登場したり。
サバイバル生活を生き抜いた後の人生まで描かれていて、とても良かった。

トム・ハンクスの減量とチャックの人物像

まず、トム・ハンクスの役者魂を感じられるのが、この役を演じるために22kgも減量したこと。
フェデックス社のシステムエンジニアであるチャック・ノーランド(トム・ハンクス)は少しぽっちゃりはしつつも普通体型であるのに、無人島でのサバイバル生活を経て4年後には無駄な肉が落ち、やや筋肉質な体型になっています。
(確かに無人島生活で4年間もサバイバルしているのにぽっちゃりしていては説得力がないですよね…)

また、チャックが超仕事人間で とにかく「1分1秒も無駄にするな!」な人なんだけど、マイペース人間の私からすると「うわ~、一緒に働くのは無理だなぁ」ってタイプでした。
(あっちも私のようなタイプは無理だと思いますが)

まさか、この後無人島に流されて4年間もサバイバルするとは想像もしてなかったでしょうね…
人生とは、何が起こるかわからない…。

サバイバル生活

あれだけの事故で生き抜いただけでも奇跡なのだけど、チャックは幸運にも「運が良ければギリギリ生きていけるであろう無人島」に漂着します。サバイバルしているシーンは基本的にBGMもなく、ひたすら波とか風の音、あとはチャックがココナッツを石で叩きまくったり、火をおこすために高速で木をこすったりする音しかしない。
もしくは、怪我をして「うおぉぁぁああああああ!!!!!!」と一人で叫んだりしているのでものすごくリアルな孤独を体感できました。
(こんなん絶対いやだ、、って思わせてくれます…)
命綱でもある漂着物(積荷)の中身も、スケート靴やビデオテープ、ドレスなど微妙な品ばかり。
(まぁこれでサバイバルナイフとか、ライターとか出てきても映画としてつまらなくなるので仕方ないですね・笑)
でもこれらの道具を工夫して頑張っているのは観ていて飽きなかったし、火がついた時はチャックと一緒に「うぉおお!」と喜んでしまった。狂喜乱舞するチャックの気持ちがよくわかる…火ってすごく大事だと改めて思う。

過酷な生活を支えた 愛する人「ケリー」の存在

普通の人間であれば絶望して生きることを諦めてしまうところですが、恋人(婚約者?)のケリーの存在によってチャックはなんとか生きている…懐中時計のケリーの写真だったり、ケリーの似顔絵を描いてみたり、このサバイバル生活では心の支えとなっている。

助演男優賞を捧げたい「ウィルソン」の存在

ひょんな出来事から仲間が加わる。その名も「ウィルソン」。
まさかバレーボールに感情移入してチャックと一緒に号泣するとは思わなかった。火をおこす際に怪我をしてしまったチャックは、自暴自棄になって「うぉらぁあああ!」とボールを鷲掴みにしてぶん投げてしまうのだけど
(このシーンは申し訳ないけどちょっと笑ってしまった…ごめんなさい・笑)
手から出血していたのでボールに血の跡がくっきりと付着してしまう。この血の跡に目や口を書き入れて「ウィルソン」の完成です。
やっぱり人間というのは、話し相手が必要なのかもしれないと改めて思う。一人の方が気が楽だし、家族も友達も要らない、という人もいるのかもしれないけどそれは結局、衣食住があって、電気も水道もあって、ネットが繋がっているような少なくとも命の危険がない環境であるから言えることなのかもしれない。ウィルソンに話ながら、チャック自身に言い聞かせているようなシーンもあって本当に切なかった。

ボールを友人に見立てないと精神が保てないほどの孤独…そしてそんな大切な友人との別れ。大人なのにあんなに号泣するほどウィルソンとの別れは悲しかった。そんなチャックを見ていて私も悲しかった…辛いシーンだった。

サバイバル生活を終えて。チャックのその後

ウィルソンと別れたあと、絶望したチャックはオールを手放して生きることを諦めてしまう。
(イカダも相当ボロボロになっていたので、まぁどのみちもう限界は近かったと思う。)
運良く助けられたものの、愛するケリーは結婚して子供を授かっていた。お互い愛し合っていても、決して元には戻れない関係なのだ。人生とは苦難を乗り越えても思い通りにいかないものですね…ツライ。

印象的だったのは、チャックが助けられた後のセレモニー?(パーティー)の後のテーブルに残された大量の食べ物。
サバイバル生活をしていたチャックの目にはどう映っていたのか。
火も電気も指先1つで使い放題。水もワインも珈琲も飲み放題。
便利な生活に慣れてしまうと、人は今手にしているものを「持っていて当たり前」という認識になってしまうけど、身につけているもの、使っているもの、食べているもの、全ては「当たり前」のものではないし自分の命でさえ、思い通りにコントロールできないものです。たまに「自分はなんのために生きているのか」と考えてしまう事があるけど生きるというのは、多分、すごくシンプルなのだと思う。チャックの言う通り「ただ、息をする」
生きる目的は「ただ生きること」であって、生きることは「当たり前」ではない。
今生きている生き物は(人間も)、色々な奇跡が重なって運良く生き抜いているだけなんだと思う。

ラストシーンでは道に迷ったチャックが、天使の羽が描かれているトラック(道案内をしてくれた女性)の方を見ながら微笑んでいます。多分人生の岐路に立った、ということなんだと思うけどあのサバイバル生活と比べてしまうと、どの方向へ進んでも生きていけそう。
でも直感的に少しワクワクする方に導かれているのかなぁ、、と個人的に思いました。(私の勝手な解釈ですが…)

本当に色んな要素がたっぷり詰まっていて、色々と考えさせられる映画でした。

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